理想の笑顔のために ガミースマイルになってしまう原因と治療法について

「ガミースマイルで自信が持てない。見た目を改善する方法は?」
「笑った時に歯茎が多く見えるけど、ガミースマイルにはどんな治療オプション治療があるの?」

こんにちは。
名古屋市千種区の歯医者、ちくさ池下歯科・矯正歯科 院長の河村篤志です。

『笑った時に人一倍歯茎が見える』そんなガミースマイルが気になったことはありませんか?
「ガミースマイルで自信が持てない」といった悩みを抱える方は少なくありません。
実は、ガミースマイルには様々な原因があり、それぞれに合わせた治療方法が存在します。どの専門家に相談すれば良いのか迷うかと思いますが、原因をしっかりと調べた上で、ご自身にベストな治療法をオーダーメイドで提案してもらえると安心ですよね。
この記事では、ガミースマイルの特徴から、治療によって得られるメリット、さまざまな原因とそれを解決する治療方法について歯科医師が詳しく解説していきます。ガミースマイルでお悩みの方は、この機会に理想の笑顔への第一歩を踏み出しましょう。

ガミースマイルの特徴

ガミースマイルは、笑った時に歯茎が通常よりも多く見える状態です。一般的には、前歯と唇の間に3㎜以上歯茎が露出している場合を指すことが多いようです。
美しい笑顔を求める人にとって、この状態はしばしばコンプレックスの原因となります。歯茎が過剰に露出しているかどうかの感じ方には個人差がありますが、笑顔のバランスを左右する要素の一つです。

治療方法するメリットと治療方法

笑顔に自信が持てる

ガミースマイルの治療を行う最大のメリットは、見た目の改善により笑顔に自信を持てるようになることです。
歯茎の露出がコンプレックスで、人前でつい口元を隠していた方でも心配ありません。歯茎の露出が減ることで、よりバランスの取れた、魅力的な笑顔を手に入れることができます。

虫歯・歯周病予防になる

過剰な歯茎の露出は、歯や歯茎の健康にも影響を及ぼすことがあります。
ガミースマイルによって前歯が乾燥しやすくなることで、歯の表面に唾液の自浄作用が働きにくくなってしまい、虫歯が進行したり、歯肉炎のリスクが上がります。
治療を行うことで、歯茎の健康を保ちやすくなり、虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。

嚙み合わせが良くなる

ガミースマイルの改善のために、矯正治療が行われることがあります。前歯の見た目はもちろんですが、奥歯の歯並びや噛み合わせの改善も同時に行うことができます。
これにより、食べ物を噛む際の効率が上がり、顎関節症のリスクを減らすことも期待できます。さらに、口腔ケアしやすい歯並びを手に入れることで、将来的な虫歯や歯周病の予防にも繋がるでしょう。

ガミースマイルになってしまう原因

歯茎

発達したぶ厚い歯茎が原因で、歯茎が通常よりも多く露出してしまうことがあります。歯茎が厚いため、歯の長さが短く見えてしまうという特徴があります。

骨格・歯並び

顎の骨格や歯並びが原因で、歯茎が目立ってしまう方です。特に上顎の骨が前方に突出している場合、いわゆる出っ歯や口ゴボの方にガミースマイルが顕著に表れることがあります。

唇・筋肉

唇や筋肉の動き方によって、普通よりも多くの歯茎が露出することもあります。歯や歯茎の位置が正常でも、唇の可動域や筋肉の発達が原因で、唇が上がりすぎてしまうのが特徴です。

治療方法

歯茎に対して

メスやレーザー治療を用いて、余分なぶ厚い歯茎を除去するという方法が行われます。しかし、単純な歯茎の切除だけでは、数か月後に歯茎のポジションが戻ってしまう(後戻り)可能性があります。矯正治療によって歯を適切な位置に移動させたり、歯茎だけでなく歯を支える歯槽骨を整える手術を併用することで、満足のいく結果が得られるかもしれません。

骨格・歯並びに対して

矯正治療により、歯並びを整えることでガミースマイルを改善します。出っ歯(上顎前突)や口ゴボ(上下顎前突)の方の場合、ガミースマイルだけでなく横顔の改善も期待できます。歯の動かし方によっては、インプラントアンカーというスクリューを顎の骨に埋め込むことがあります。

唇・筋肉に対して

ボトックス注射(ボツリヌス治療)を用いて、唇を持ち上げる筋肉の動きを調整し、歯茎の露出を減らす方法があります。唇周囲への注射だけで行われる手軽な方法ですが、1〜3ヶ月ほどで薬の効果が切れてしまうため、定期的な施術が必要です。
上唇の裏側の粘膜を切除して、唇の可動域を減らす手術を行う方法もあります。比較的後戻りの少ない結果が得られます。

ガミースマイル治療は何科を受診するべき?

美容外科で行うガミースマイル治療

唇や顔の筋肉に対する治療は、美容外科でも行われます。お顔全体の美しさを優先したい場合は、美容外科で相談するのも良いかもしれません。

歯科医院で行うガミースマイル治療

歯科医院で行う最大の特徴は、歯や歯茎の健康を考えたガミースマイル治療ができるという点です。見た目だけでなく、噛み合わせのバランスを考えた矯正治療や、セラミック治療・ホワイトニングなど、お口の中全体の美しさを考えたオーダーメイドの治療が提供されます。

しかし、ボトックス治療や歯肉整形手術などは専門性が高く、どの歯科医院でも行えるというわけではないため、注意が必要です。

まとめ:ガミースマイルが気になる方は一度歯科医院で相談しましょう

いかがでしたでしょうか。今回は、ガミースマイルになってしまう原因と、それに対する治療法について解説しました。

ガミースマイルは多くの方が抱える悩みの一つであり、その原因は人それぞれ異なります。自分に合った治療方法を見つけるためにも、まずは歯科医院で相談をし、専門家の意見を聞くことが大切です。見た目の改善だけでなく、歯や歯茎の健康にも良い影響を与えることができるため、将来的な虫歯や歯周病のリスクを減らすことも可能です。気になる方はぜひ一度、専門家に相談してみてください。

名古屋市千種区にある歯医者 ちくさ池下歯科・矯正歯科では、日本補綴歯科学会専門医・日本顎関節学会専門医の資格を持つ院長と、日本矯正歯科学会認定医の資格を持つ副院長が、それぞれの専門性を活かしたチームアプローチを得意としています。まずは検査と相談だけでも、もちろん可能です。お悩みや不安について、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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インプラント手術が怖い|手術後の経過や痛み止めについて

「インプラント手術の手術をした後はどのように過ごせばよいの?」
「インプラント手術の口腔ケアや、痛み止めについて知りたい」という方へ

こんにちは。
名古屋市千種区の歯医者、ちくさ池下歯科・矯正歯科 院長の河村です。

インプラント治療を躊躇してしまう理由として、費用や治療期間のほかにも、手術中や手術後の痛みについての不安を挙げる方は多いのではないでしょうか。

なくした歯の代わりになる治療として、インプラント治療でしか得られないメリットがあります。特に、隣の歯に負担をかけないため、残っている歯の寿命を考えると、インプラントがオススメできる場面は多いと言えるでしょう。そのため、インプラント治療をためらうことで、残っている歯にトラブルが生じてしまうことは避けたいと考えています。

前回の記事では、「インプラント手術が怖い」という方に向けて、『インプラント手術が怖い|その理由と不安を和らげる対処法』について解説しました。今回は、インプラント手術後の過ごし方や注意点、鎮痛剤(痛み止め)について解説していきます。

手術後の回復期間について知っておきたいこと

インプラント治療を行うことで、患者様の生活の質を格段に向上させてくれることでしょう。そのためにも、手術後の回復期間は非常に重要で、適切なケアが必要です。回復期間中の過ごし方や、注意すべき点をしっかりと理解しながら、生活することが必須となります。

正常な回復期間について

インプラント手術後には腫れや痛みを伴いますが、これは体が正常に回復するうえで必要な時期です。痛みのピークは術後2-3日と言われていますが、手術の範囲や術式によっては長引くこともあります。ただし、長くても1週間程度で落ち着くことがほとんどです。

その間は、冷やすことで痛みを和らげることができ、処方された鎮痛剤を使用して痛みをコントロールすることが大切です。加えて、指定された間隔で消毒のための通院を行い、経過を確認してもらうことも、良好な経過のためには必要となります。

回復期間中の注意点

インプラント手術後は、体や傷口に負担をかけないように生活しましょう。

食事について

食事は柔らかく食べやすい食品を中心にし、硬いものや刺激になるものを避けることで、患部を刺激しないように配慮します。アルコールの過度な摂取は、痛みの再発に繋がることがあります。

喫煙について

喫煙は血流を悪くして治癒を遅くすることが知られているため、控えることが望ましいです。喫煙者の方の場合、インプラント手術の成功率が低く、また治療終了後の経過も良くないことが論文でも報告されています。

口腔ケアについて

口腔内を清潔に保つことは極めて重要で、適切なブラッシングで細菌の数を減らすことで、感染のリスクを下げることができます。指示があった場合は、含嗽剤(うがい薬)を使用することも清潔を保つために役立ちます。手術直後は患部がデリケートなため、ブラッシングを避けるか、手術後専用の柔らかい歯ブラシを使用することもあります。担当医からの指示を守ることが大切です。

その他の注意点

血行が良くなりすぎると痛みを感じやすくなってしまうため、手術当日の長風呂やサウナは避けて、軽いシャワー程度が良いでしょう。また、手術後数日間は激しいスポーツや過度な肉体労働も控えてください。栄養や睡眠を十分に摂取して、身体を休息させることが回復の手助けとなります。

手術後のトラブルについて

インプラント手術後の主なトラブルとしては、手術部位の感染や、インプラントの脱落が考えられます。これらを回避するためには、手術後の指示をよく聞き、清潔な口腔環境を維持することが重要です。万が一、予想しない症状が現れた場合は、速やかに担当医に相談しましょう。

鎮痛剤について知っておきたいこと

インプラント手術後の回復期間においては、痛みの原因を理解して、鎮痛剤(痛み止め)を正しく使用することが欠かせません。鎮痛剤にはさまざまな種類がありますが、それぞれに適切な用法用量が存在します。手術後も快適に過ごしていただくために知っておきたい鎮痛剤の基本的な知識と、適切な使用方法について解説していきます。

一般的に処方される鎮痛剤について

インプラント手術後に処方されることが多い鎮痛剤には、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とアセトアミノフェンがあります。NSAIDsはプロスタグランジンという炎症と痛みの原因になる成分の生成を抑制し、アセトアミノフェンは中枢神経系で痛みの伝達を弱めることによって鎮痛効果を発揮します。これらは、痛みの程度や患者様の健康状態を考慮したうえで処方されているため、十分な効果を得るためには指示を守ることが大切です。

鎮痛剤の正しい使用方法について

鎮痛剤を効果的に使用するために、歯科医師の指示に従い、決められた用法・用量を守ることが大切です。例えば、痛み止め効果が得られないと感じて自己判断で薬の量を増やしても、適切な効果が得られないばかりか、副作用が強く出てしまう場合もあります。正しい使用方法を守ることで、上手に痛みをコントロールできるようになるでしょう。

鎮痛剤使用時の注意点について

鎮痛剤を使用する際には、副作用や相互作用の可能性に注意する必要があります。

鎮痛剤の主な副作用は、アレルギー(皮膚の湿疹や息苦しさ)の他に消化器症状(食欲不振、胃もたれ、腹痛など)があります。他にも肝機能や腎機能に影響を与える場合もあります。

また妊娠の可能性がある場合や、ほかのお薬を服用している場合は、あらかじめ歯科医師に相談してください。患者さんの安全と守るために、お薬の知識と正しい使い方が重要となるのです。

それでもインプラント治療が怖いという方へ

ほとんどの方がインプラント治療や手術に対して恐怖心を持った状態で来院されています。痛みが伴うというイメージや、失敗したらという不安はなかなか拭えないかもしれません。しかし、歯科医師も患者様にできるだけ快適にインプラント治療を受けていただきたいと考えており、そのための工夫を凝らしていることも覚えておいてください。

まずはカウンセリングを受けてみましょう

インプラント手術に対する心配を解消するために、まずはカウンセリングを受けて、手術に対する恐怖感や不安を正直にお伝えください。手術の流れや、術後の計画についての説明を受けることで、治療終了までの道筋をイメージすることができ、不安の軽減に繋がることもあります。またインターネットや口コミによる情報は、なかなか取捨選択が難しいのではないでしょうか。実際に歯科医院に足を運んで話を聞くことで、治療に対して少し積極的な気持ちになれるかもしれません。

信頼できる歯科医院を探しましょう

技術の進歩により、インプラント手術は成功率が高く、治療成績も長期的に非常に良い治療法となっています。しかし、多くの患者様はそれらのデータを確認することが難しく、情報不足から不安を感じているのではないでしょうか。

そこで重要になるのが信頼できる歯科医院選びです。

実績のある医院や経験豊富な歯科医師から説明を受けることで、事前の不安が軽減されます。後悔しないように、些細なことでも疑問や心配な点を手術前に解消しておきましょう。治療のメリットだけでなく、考えられるリスク、予想される術後の経過やケアの方法について、丁寧に説明を受けることで、不安を大きく和らげることができます。

成功例を見て治療に対するポジティブなイメージをしましょう

インプラント治療によってとても良い結果が得られたケースを実際に見ることで、手術や治療について具体的なイメージができるようになります。

身近な方やインターネットの体験談でももちろん良いとは思いますが、手術部位や術式、インプラントの本数によっても、予想されるリスクは全く異なります。担当の歯科医師に実際の話を聞き、可能であれば口腔内写真やレントゲンを見せてもらうことによって、よりご自身に照らし合わせたイメージを深めることができるでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、インプラント手術後の過ごし方や注意点、鎮痛剤についての解説と、カウンセリングのご紹介をしました。

インプラント治療は、必ず手術が必要であるというデメリットが存在する一方で、良好な結果が得られた場合は20年や30年以上もお口の中で活躍をしてくれます。「なんとなく怖いから」という理由だけで避けてしまうのはとても勿体ないと考えていますので、まずは信頼できる歯科医院選びとカウンセリングから始めてみてはいかがでしょうか。

名古屋市千種区にある歯医者 ちくさ池下歯科・矯正歯科では、国立大学病院で10年以上もインプラント治療に従事し、日本補綴歯科学会専門医・日本顎関節学会専門医の資格を持つ歯科医師が、患者様のお悩みを解決するお手伝いをしております。まずは検査と相談だけでも、もちろん可能です。お悩みや不安について、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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インプラント手術が怖い|その理由と不安を和らげる対処法

「インプラントに興味があるけど痛くないが不安」
「インプラント手術に伴う痛みはどの程度なの?」という方へ

こんにちは。
名古屋市千種区の歯医者、ちくさ池下歯科・矯正歯科 院長の河村です。

インプラント手術と聞くと、不安や恐怖を感じる方がほとんどなのではないでしょうか。
歯を失ってしまった部分に対して、インプラント治療はメリットの多い治療法です。

しかし、外科的な処置が必要なため、手術時の麻酔や手術後の痛み止めを全くゼロにすることはできません。インプラントの手術が怖いという理由で、歯が無いまま放置してしまっている人も少なくないでしょう。

この記事では、「インプラント手術が怖い」という方に向けて、恐怖を感じる理由と、その対処法を解説していきます。

インプラント手術に対する不安を解消するために知っておきたいこと

『手術』を積極的に受けたいという方はまずいらっしゃらないと思いますので、インプラント手術に対して不安を感じるのはごく自然なことです。

インプラント手術を受ける前に、あらかじめ正確な情報を知っておくことで、心に余裕を持つことができます。

担当歯科医師からわかりやすい言葉で説明してもらったり、実際の成功率や安全性に関するデータを教えてもらうことでも、手術への恐怖感を減らすことができるでしょう。加えて、アフターケアの重要性や、合併症などのリスクを理解し、事前に心構えをしておくこともとても重要です。

インプラント手術が怖いと感じる4つの理由

インプラント手術に対する恐怖は、手術に臨む多くの患者様が経験します。
主な理由として、

  • 手術中の痛みや失敗の不安
  • 術後の合併症(痛み、腫れ、出血)
  • 費用の高さ
  • 手術に関する情報不足

が挙げられるのではないでしょうか。

手術中の痛みに関しては、適切な麻酔が行われれば、患者様が想像するような苦痛はほとんどありません。また、失敗への不安は、確かな知識と技術、実績を身につけた歯科医師による施術で軽減されるでしょう。術後の合併症については、手術後の内服薬の適切な使用や、正しいケアと定期的なフォローアップによって、リスクを最小限に抑えることが可能です。費用については、見積りをもとに詳細を事前に把握しながら検討することが重要です。

手術やインプラントに関する情報をもっと知りたいと感じる場合、インターネットで調べるのもひとつですが、情報の取捨選択が難しいことがあります。直接担当医に相談して、不明点をクリアにすることが不安解消につながるでしょう。

インプラント手術の安全性について

インプラント手術の安全性に関しては、多くの患者様が疑問を持っているかもしれませんが、安全に対する配慮が多くされているのはご存知でしょうか。インプラント治療に使用されるチタンやジルコニアは、人体への親和性が高く、アレルギー反応などのリスクがとても低いことが報告されています。

また当院では、手術器具は全て滅菌を行い、可能なものはディスポーザブル(使い捨て)の器具を使用することで、大学病院と同等レベルの安心な治療環境を整えています。また、歯科医師は経験と実績を積んでおり、学会等で常に知識をアップデートしています。患者様の健康を第一に考えた治療が実施されていることを知ることで、安心して手術を受けることが可能になります。

インプラント手術前の気持ちの整理方法

不安を抱えたまま手術を受けることがないように、気持ちの準備をすることが大切です。まず、歯科医師との信頼関係を築き、疑問に思うことは何でも相談して下さい。

また、手術の流れや術後期間についても十分に把握しておくことが必要で、これらの情報を十分に知ることで、気持ちの負担が少し軽減されることでしょう。加えて、治療が終了したケースを見ることで、自分の治療がうまくいったイメージを持つことができ、治療に対して前向きな気持ちになることもあります。

当院では、患者様の不安を少しでも減らせるよう、初診時・インプラント治療の検討時・インプラント手術前にカウンセリングを行っております。些細なことでも、不安や疑問を解消するお手伝いができればと考えています。

インプラント手術の安全性について知っておきたいこと

インプラント手術が怖いと感じる方も少なくないでしょうが、インプラント手術では、患者様の健康と安心を最優先に考えた数多くの安全対策がなされています。本節では、インプラント手術の安全性について、ご紹介します。

CT診断技術の進歩

テレビやスマホがどんどん高画質になっていますが、医療の分野も例外ではありません。インプラント手術における画像診断システムも確実に進化しています。手術前に正確な事前計画を行うことで、手術中のリスクを大きく削減できるようになりました。骨の量や骨質だけでなく、隣の歯や神経との距離を正確に計測できます。

正確な診断によって、手術もより精密に、より短時間で行えます。これにより、患者様の負担も減らすことができ、安全なインプラント治療を実現できます。

インプラントに使われる材料とその安全性

当院で使用するインプラントは、生体親和性が非常に高いチタンとジルコニアが配合されています。この材料は、世界各国での臨床試験を経て、高い安全性が確認されています。機械的な強度が強く、骨との結合安定性も高い、安心して使用できる材料です。

歯科医師の専門性の高い技術と経験

インプラント手術の安全性を左右する要因として、歯科医師の技術と経験が大きい部分を占めています。インプラントのような特殊な知識や技術が必要な分野では、国家試験で歯科医師の資格を得た後に専門的な研修が必要です。それらの研鑽によって培われた技術が、安全性の向上に大きく寄与しているのです。

当院では、国立大学病院でインプラント治療を専門に行ってきた院長がすべての処置を担当するため、安心して治療を受けることができます。

手術に使われる麻酔について知っておきたいこと

手術時の恐怖心を減らすためには、痛みをコントロールすることが大事です。インプラント手術中においては、患者様が少しでも快適に治療を受けられるように、麻酔の使用が重要になります。

手術中の痛みを抑えるための麻酔の役割

麻酔の主な役割は、手術中の痛みを感じさせないことにあります。しかし、針を刺して麻酔をする必要がある以上、麻酔中の痛みが苦手な方も多いのではないでしょうか。

当院では、他の全ての処置と同様に、インプラント治療でも『針を刺す前の表面麻酔の使用』『痛みの少ない細い針の使用』『圧迫感の少ない電動麻酔器の使用』を行っております。

また手術部位だけでなく、神経の大元を狙った麻酔を併用するなど、正確な手技と適切な麻酔薬の使用によって、手術の成功率を高める工夫を行っています。

知っておきたいインプラント手術の流れ

インプラント手術の流れをしっかりと理解することで、不安を和らげることが可能になります。

手術環境の準備

インプラント手術を行う際に、手術環境の準備は非常に重要です。インプラント手術は他と隣り合った場所ではなく、専用の手術室のような隔離された環境で行われるのが望ましいでしょう。

また、感染管理のためにも確実な滅菌管理をされた器具を準備する必要があります。当院では、国立大学でインプラント治療を行った経験を生かして、手術環境を整えています。

インプラントに使用する器具やドリルは、ヨーロッパ最高レベルであるクラスBの滅菌機で処理を行っています。また、ガウンやグローブ、患者様の顔布、メスや針などは全て単回使用の使い捨て(ディスポーザブル)器具を使用することで、安全に配慮しています。

また手術中のバイタルサインの確認など、全身状態のチェックも欠かせません。これらすべては、患者様の安心・安全の確保のために行われます。

インプラント手術の各ステップ解説

インプラント手術にはいくつかのステップがあります。

  1. 局部麻酔を使って治療部位をしっかりと麻酔します
  2. 麻酔の効果を待つ間にクリーニングを行い、お口の中の細菌数を減らします
  3. 歯茎を切開し、骨にドリルで穴をあけます
  4. インプラント体を骨の中に固定します
  5. 必要なときは骨のボリュームを足す処置をします
  6. 歯茎を縫合し、止血を確認して手術終了です
  7. インプラントが所定の位置に入っているかをCTで確認し、手術後の説明をします

当院では経験豊富な歯科医師が担当するため、シンプルな手術であれば30分前後の手術時間で完了します。

患者様が手術中に感じること

ほとんどの場合、局部麻酔により手術中に痛みを感じることはほとんどありません。しかし、押される感覚やドリルの振動などの感覚は残るため、緊張しやすい方はそれらを不安に感じることもあるかもしれません。不安感を少しでも取り除けるよう、歯科医師から処置の内容や手術の進行具合などについて、声を掛けながらの施術を受けられると良いでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、インプラント手術に恐怖を感じる理由とその対処法について解説しました。

歯を失ってしまった部位に対して、インプラント治療はとてもメリットの多い治療です。しかし、必ず手術が必要であるというデメリットも存在します。正確なインプラント治療と適切なアフターケアが行われた場合、20年以上もインプラントを使用できているケースも多く存在します。長い間、審美的な見た目や快適な食事ができることを想像すると、インプラント治療に臨む勇気も出てくるかもしれませんね。

おひとりで悩む前に、一度不安に寄り添ってくれる歯医者さんに相談してみてはいかがでしょうか。

名古屋市千種区にある歯医者 ちくさ池下歯科・矯正歯科では、国立大学病院で10年以上もインプラント治療に従事し、日本補綴歯科学会専門医・日本顎関節学会専門医の資格を持つ歯科医師が、患者様のお悩みを解決するお手伝いをしております。まずは検査と相談だけでも、もちろん可能です。お悩みや不安について、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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ガミースマイルとは?知っておきたい原因と簡単なセルフケア

「笑うと歯茎が目立つような気がする…」
「ガミースマイルって自分で治すことができるの?」という方へ

こんにちは。
名古屋市千種区の歯医者、ちくさ池下歯科・矯正歯科 院長の河村です。

口元にコンプレックスを抱えることで、「思い切り笑えない」「笑うときについ口元を隠してしまう」という経験は、多くの人が抱える悩みの一つです。

悩みの原因は、歯並びや歯の色味、歯茎が目立つなど理由は様々ですが、その中でも、笑ったときに上顎の歯茎が多く見えて目立ってしまう状態を『ガミースマイル』と呼びます。ガミースマイルは病気ではありませんが、つい自分の歯茎が悪目立ちをしていないか気になってしまう方は多いのではないでしょうか。

この記事では、「ガミースマイルついて原因や、セルフケアについて知りたい」という方に向けて、ガミースマイルの原因やデメリット、そしてセルフケアのポイントについて歯科医師が詳しく解説していきます。

ガミースマイルの特徴

ガミースマイルとは、笑うときなど上唇を挙げた際に、前歯と唇の間に3㎜以上歯茎が露出している場合にガミースマイルと定義します。

英語で歯茎を表す「gum」が特徴的であることから、「ガミースマイル」と言われています。

有名人でもガミースマイルの方はいらっしゃいます。ガミースマイルは必ずしも審美的に不利というわけではなく、逆に個性的な笑顔として好印象を与える場合もあります。

しかし、ガミースマイルに対してコンプレックスを感じている方もいます。「笑うと人の視線が気になってしまう」「しゃべるときや笑うときについ口元を手で隠してしまう」といった悩みを抱える方も多く、コミュニケーションや自己表現に自信が持てない方もいらっしゃるのではないでしょうか。

次にガミースマイルになる主な原因について考えてみましょう。

ガミースマイルになってしまう原因

ガミースマイルになってしまう原因は人それぞれ異なりますが、以下の3つの主な原因として考えられます。

歯茎の問題

歯茎が過度に露出する原因として、歯茎が人よりもぶ厚かったり歯を覆う面積が大きいことで、歯が短く見えて歯茎が目立ってしまうことがあります。歯の縦横のバランスが悪く、歯が短く見えることも、笑ったときの歯茎が露出する原因となります。

骨格や歯並びの問題

いわゆる『出っ歯』(上顎前突)や、『口ゴボ』(上下顎前突)など、骨格や歯並びの問題もガミースマイルの原因となります。横顔で上あごが前方に出ている場合、笑った際に前歯や歯茎が目立ちやすくなります。

バランスの良い横顔であっても、上あごが下に位置していると、その分歯茎が長くなり、ガミースマイルの症状が現れることがあります。

唇や筋肉の問題

唇が薄い・短い、または上唇を持ち上げる筋肉が発達している場合、笑ったときの唇のラインが上がり過ぎてしまうことで、歯茎が顕著になります。

これらの要因はひとつに限られるわけではなく、複数の原因が当てはまる場合もあります。ご自身のガミースマイルの原因を把握することで、適切な治療方法が選択できるようになります。次に、ガミースマイルを治療するメリットについて掘り下げていきましょう。

ガミースマイルは治した方が良い?放置するデメリットは?

ガミースマイルは病気ではないため、必ずしも治療が必要というわけではありません。しかし、重度のガミースマイルの場合には、以下のような悪影響が現れる場合もあります。

虫歯・歯周病になりやすい

ガミースマイルの方で、普段リラックスしているときでも口が閉じづらく常に歯が見えているような方は要注意です。これは骨格的な原因や口元の筋力不足からくるもので、口が閉じづらいと口呼吸の癖が生まれやすくなります。口が乾燥しやすくなることで、お口の中を清潔に保つことが難しくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

口臭がする

口が閉じづらかったり、口呼吸の癖がある場合、お口の中が乾燥しやすくなります。この乾燥によって細菌の繁殖を招き、結果的に口臭の原因となります。虫歯や歯周病の進行による口臭の可能性も高まります。

見た目のコンプレックスからコミュニケーションが苦手になってしまう

健康面に問題がないガミースマイルであれば、審美的な悩みがなければ治療を行う必要はありません。しかし、外見の悩みやコンプレックスの大きさというのは本人にしか分からないものです。外見に対する悩みが日常生活や普段のコミュニケーションに支障をきたすことは避けたいもの。自信のある笑顔を手に入れるためには、まずは信頼できる医院で相談してみてはいかがでしょうか。

ガミースマイルに対するセルフケア

軽度のガミースマイルであれば、セルフケアで改善できることがあります。セルフケアの方法を簡単にご紹介します。

口周りの筋力トレーニング

ガミースマイルの原因が、お口周りの筋力不足によるお口ぽかんや表情筋の柔軟性不足の場合、表情筋を鍛えるトレーニングが効果的かもしれません。

  • 『あいうべ体操』による口元や舌の筋力トレーニング
  • 『割り箸トレーニング』による頬筋の筋力アップ
  • 『舌回しエクササイズ』による表情筋の柔軟性アップ

トレーニングによってガミースマイルが根本的に治るわけではありませんが、表情筋を意識的に動かせるようになることで、歯茎が目立ちにくい笑顔が手に入れられるかもしれません。

笑い方の練習

鏡を見ながら、上唇が上がり過ぎない笑い方を練習するのも、ガミースマイルの対策として有効です。口角をきれいに上げて、歯を見せつつも歯茎が露出しすぎないラインを意識して練習しましょう。この方法では、写真を撮るときなど意図的に笑顔を作る際は効果的ですが、日常生活では会話や食事などの最中に意識し続けるのは難しいかもしれません。

歯茎のケア

ガミースマイルの直接的な解決方法ではありませんが、見えてしまう歯茎に腫れや赤みがある状態だと、審美的な魅力が損なわれてしまいます。適切な歯磨きや歯茎のマッサージによって歯茎をケアし、歯茎の状態を良好に保つことも重要です。

まとめ:ガミースマイルはセルフケアのみでは難しい?

いかがでしたでしょうか。今回は、ガミースマイルになってしまう原因や重度のガミースマイルを放置することによるデメリット、そしてセルフケアのポイントについて解説しました。

簡単なセルフケアは、軽度のガミースマイルにはある程度の効果があるかもしれませんが、根本的な解決策とは言えません。セルフケアでの改善が難しい場合は、専門家に相談する必要があります。

繰り返しになりますが、ガミースマイルは病気ではないため必ずしも治療が必要ではありません。しかし、コンプレックスを感じてしまうような重度のガミースマイルの場合、様々な原因が絡み合っている可能性が高いと言えます。審美的なコンプレックスの解消のためには、その方の原因に合ったアプローチを提案してくれる歯医者さんに相談しましょう。

名古屋市千種区にある歯医者 ちくさ池下歯科・矯正歯科では、日本矯正歯科学会認定医の資格を持つ歯科医師と、日本補綴歯科学会専門医・日本顎関節学会専門医の資格を持つ歯科医師が協力して、患者様のお悩みを解決できる体制を整えています。まずは検査と相談だけでも、もちろん可能です。お悩みや不安について、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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将来のきれいな歯並びのために 乳歯の時期に気を付けること

「まだ乳歯だけど、いつ頃から歯医者さんに相談した方が良いの?」
「きれいな歯並びを手に入れるために、乳歯の時期で後悔したくない」という方へ

こんにちは。
名古屋市千種区の歯医者、ちくさ池下歯科・矯正歯科 副院長・矯正医の河村智子です。

先日、日本口腔衛生学会より『乳幼児期における親との食器共有について』の提言が出されたことが話題になりましたが、ご存知でしょうか?

やはり大切なお子様には、虫歯のない健康な歯と、見た目がきれいでバランスよく噛める歯並びをプレゼントしてあげたいですよね。しかし、いつ・どんなタイミングで歯医者さんに相談すればよいのか分からないという保護者の方も多いのではないでしょうか。

乳歯のときは、食事や歯磨きの良い習慣を身につけることだけでなく、生え変わりによって健康な永久歯を手に入れる準備をするために、とても重要な時期です。乳歯の健康が、永久歯の健康や体の健康に繋がっているとも言えます。

この記事では、「乳歯の時期に気を付けるポイントについて知りたい」という方に向けて、乳歯列期のトラブルや、気を付けるポイントについて歯科医師が詳しく解説していきます。

乳歯列期とは

「乳歯列期」とは、乳歯(子供の歯)が全て生え揃ってから、永久歯(大人の歯)が生え始めるまでの時期を指します。

初めて乳歯が生えるのは生後6-7か月頃、たいていは下あごの前歯です。それから上あごの前歯、奥歯と順番に生えていき、3歳ごろに全部で20本の乳歯が生え揃うと、乳歯列の完成です。その後、6歳頃に初めての永久歯が生え始めます。つまり、乳歯列が完成した3歳から永久歯が生え始める6歳前後までを「乳歯列期」と言います。

乳歯列期に起きるトラブル

むし歯になってしまう

乳歯は、永久歯と比べてとても虫歯になりやすいです。
その理由としては、酸に弱いこと、乳歯の奥歯は溝が細かく汚れがたまりやすいこと、が挙げられます。また、乳歯のエナメル質は永久歯の半分程度の厚さしかありません。一度虫歯になってしまうと進行が早く、歯の神経とも近いことからあっという間に痛みが出てきます。

虫歯は、歯と歯の間の見えないところ(つまり、磨きにくいところ)にできやすいため、穴があくまでなかなか気付けません。気付いた時にはかなり進行してしまっており、抜歯になってしまった、なんて場合もあります。虫歯が進んで痛くなる前に発見できるよう、定期的な歯科検診が大切です。

歯並びが悪い

乳歯列での理想的な歯ならびとは、上の歯が下の歯より外側にあり、歯と歯の間にすき間がある状態です。

歯と歯の間にすき間がある、いわゆるすきっ歯の状態を心配する方が多いですが、乳歯列の場合はすき間があることが正常です。なぜなら乳歯の後から生えてくる永久歯は、乳歯よりも歯の幅が大きく、乳歯の時期にすき間があることによって永久歯がきれいにならぶからです。逆に、一見問題のなさそうな、きれいにならんでいる乳歯列は、上記の乳歯と永久歯の大きさの関係から、永久歯列ではでこぼこの歯並びとなる可能性が高いです。乳歯列の時点ででこぼこがある場合も、永久歯列でも同様にでこぼことなるでしょう。

他にも、乳歯列で問題となる歯並びは、下の歯が上の歯より外側にある咬み合わせ、いわゆる受け口です。「反対咬合」もしくは「交叉咬合」と言いますが、自然に改善することは難しい咬み合わせであるため、できるだけ早く正しい咬み合わせに治す必要があります。

乳歯の数がおかしい

乳歯は上下合わせて全部で20本ですが、時に20本すべての歯が揃わない事があります。
原因として、

  1. 元々作られなかった(先天性欠如歯)
  2. となりの歯とくっついてしまった(癒合歯)
  3. あごの骨の中で埋まってしまった(埋伏歯)

などが挙げられます。
これらはご自身や保護者の方が発見するのは難しく、歯科医院でレントゲン撮影をして初めて気づく事がほとんどです。

将来きれいな歯並びを手に入れるために、乳歯列期からできること

歯磨きの習慣・仕上げ磨き

歯が生えてきたばかりの始めの時期は、まず歯ブラシに慣れさせることが大事です。奥歯が生えてくるまでには歯磨きが習慣になっていることを目指しましょう。

仕上げ磨きにはいくつかポイントがあります。

歯ブラシの毛先の当て方

歯の表面を磨くときは歯ブラシの毛先を歯に垂直に当てます。歯と歯ぐきの境目は汚れが残りやすいため、毛先を歯ぐきに向かって斜めに当てましょう。歯と歯の間も歯ブラシを傾けて、しっかり毛先を当てましょう。

歯ブラシの動かし方

毛先が広がらない程度の軽い力で磨きましょう。毛先は小刻みに動かし、1-2本ずつ磨きます。強い力でゴシゴシ磨いても汚れは上手く落とせません。歯ぐきを傷つけてしまい、お子さんが痛がって歯磨きを嫌がる原因となってしまう事もあるので気を付けましょう。

仕上げ磨きのタイミング

できるならば毎食後の仕上げ磨きが理想的です。毎食後が難しい場合は、夕食後や就寝前の仕上げ磨きを習慣にしましょう。

慣れないうちは、保護者の方もお子さんも上手にできないのは仕方ありません。声を掛けてあげながら、まずは習慣化することが大事です。歯医者さんで相談すると、仕上げ磨き用の歯ブラシや仕上げ磨きしやすいポジションなども教えてもらえます。

フッ素塗布

歯にフッ素を塗ることで歯を強くし、虫歯を予防しましょう。
フッ素の効果には、

  1. 歯質の強化:歯の最表層のエナメル質を酸に溶けにくい性質に変え、むし歯への抵抗力を高める
  2. 歯の再石灰化の促進:歯から溶け出したミネラル(カルシウムやリン)を補填しエナメル質の修復を促進する
  3. 虫歯菌の活動抑制:虫歯の原因となる細菌の働きを弱め、歯を溶かす酸がつくられるのを抑制する

などがあります。

歯科医院で扱うフッ素は高濃度のため、3か月に1回程度の塗布がおすすめです。それ以外には自宅でも、フッ素配合の歯磨き粉や歯みがきジェル、フッ素洗口剤を使用することで簡単に取り入れることができます。特に、就寝前の使用がおすすめです。就寝中は唾液量が減り、フッ素が長くお口の中に留まるため、高い効果を得られます。

お口周りのトレーニング

MFT(口腔機能療法、Oral Myofunctional Therapy)という言葉を知っていますか?

MFTとは、「歯列を取り巻く口腔周囲筋の機能を改善する」ための訓練、つまり、お口周りの筋肉のトレーニングです。

きれいな歯並びのために、なぜ筋肉のトレーニングが重要なのかというと、お口周りの筋肉から受ける力が歯並びに大きく影響するからです。矯正治療では、矯正装置によって歯に力を加え、歯を動かします。それと同じように、お口の周りにある筋肉から受ける力で歯は動いていくのです。歯の外側には頬や唇、歯の内側には舌があり、常に歯に力を加えています。外側からと内側からの力がバランスよく加わることで、歯はあごの骨の中で正しい位置に収まっています。そのバランスが乱れるとどうなるでしょうか。

例えば、いつもお口がぽかんと開いているお子さんは、歯の外側から加わる力が弱くなります。舌で歯を押してしまう癖があるお子さんは、歯の内側から加わる力が強くなります。このように歯に加わる力のバランスが乱れてしまうと、歯が正しい位置に収まることができなくなり、歯並びの乱れにつながってしまいます。MFTによってお口周りの筋肉のトレーニングを行い、歯に加わる力のバランスを整えることが大切です。

歯医者さんで教えてもらえるMFTを実践することで、『お口ぽかんが防止できる』『活舌が良くなる』『姿勢が良くなる』など、様々な効果があります。

乳歯列期からの矯正治療

乳歯列期で矯正治療を行ったほうが良い咬み合わせは、反対咬合(上の歯と下の歯が逆になっている。受け口)や交叉咬合(奥歯で咬み合わせがずれている状態)、開咬(前歯で咬みない状態)等です。これらの咬み合わせは自然に改善することはなく、また永久歯の噛み合わせの悪さにも繋がります。乳歯の時期から、矯正治療によって正しい歯並びに治してあげる必要があります。

当院では乳歯列期のお子さんの矯正治療には「プレオルソ」という、マウスピース型の矯正装置を使用します。プレオルソは歯に大きな負担をかけずに歯やあごを移動させ、不正咬合を改善します。歯並びの改善だけでなく、口呼吸から鼻呼吸へと促したり、舌の正しい位置や正しい発音のトレーニングの効果もあります。

まとめ:不正咬合の早期発見のために、早めに歯医者さんに相談しましょう

今回は乳歯列期に、将来のきれいな歯並びのためにできることを紹介しました。仕上げ磨きやフッ素含有の歯磨き粉などはすぐにでもご家庭で取り入れられることですので、ぜひ試してみてください。フッ素塗布や歯並びについては歯科医院を受診し相談してみましょう。

虫歯や歯肉炎(歯周病)だけでなく、不正咬合(噛み合わせ・歯並びの悪さ)も早期発見・早期治療がとても大切です。早く相談しておけば良かったと後悔することがないよう、歯が生え始めたら一度かかりつけの歯医者さんに相談することをおすすめします。

名古屋市千種区にある歯医者 ちくさ池下歯科・矯正歯科では、日本矯正歯科学会認定医の資格を持つ歯科医師と、日本顎関節学会専門医・日本補綴歯科学会専門医の資格を持つ歯科医師が協力して、患者様のお悩みを解決できる体制を整えています。お悩みや不安について、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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歯科医院でおこなう、歯ぎしり・食いしばりに対するボツリヌス治療について

「歯ぎしりや食いしばりを改善したいけど、エラボトックスは効果があるの?」

こんにちは。
名古屋市千種区にある歯医者、ちくさ池下歯科・矯正歯科 院長の河村です。

就寝中の歯ぎしり、日中の食いしばりや噛みしめに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。日常的な歯ぎしり・食いしばりから引き起こされる顎の疲労感は、時には大きなストレスへと変わってしまいます。さらには、顎関節症や歯周病、歯が折れるなどのお口の中のトラブルの原因となったり、エラが張って見えるという見た目のコンプレックスにも繋がることがあります。

歯ぎしり・食いしばりに対するアプローチとして、注目を集めているのがボツリヌス治療です。歯科医院で行われるこの治療法は、歯ぎしり・食いしばりの症状を和らげ、日常生活のストレスを軽減する可能性を秘めています。しかし、詳しい治療法やメリット・デメリットについてご存じない方も多いのではないのでしょうか。
この記事では、「歯科医院で行うボツリヌス治療について詳しく知りたい」という方に向けて、歯ぎしり・食いしばりに対するボツリヌス治療の概要について、歯科医師が詳しく解説していきます。

ボツリヌス治療とは?

ボツリヌス治療は、ボツリヌス菌から抽出されるボツリヌストキシンという成分(タンパク質)を注射する治療法です。ボツリヌストキシン製剤は、一時的に筋肉の働きを弱め、筋肉の過剰な収縮やそれに伴う影響を抑える効果があります。元々は筋肉の痙攣に対する治療に用いられましたが、現在では表情しわの治療や小顔効果を目的とした美容医療にも応用されています。

ちなみに、「ボトックス」という言葉が有名ですが、ボトックスはアメリカのアラガン社が製造・販売しているボツリヌストキシン製剤の商品名です。「ボトックス治療」や「エラボトックス」をうたっていても、実際には「ボトックス」ではない製品を使用している場合もありますので、注意が必要です。
当院では、世界30か国以上で販売・使用されている実績のある韓国製のボツリヌストキシン製剤を使用しています。

歯ぎしり・食いしばりに対して有効なボツリヌス治療

歯ぎしり・食いしばりについて

歯ぎしり(就寝中に上下の歯を擦り合わせてしまうこと)や食いしばり(無意識に上下の歯を接触させたり強い力で噛み合わせること)は、日常のストレスや緊張から発生すると言われており、歯や顎に様々な影響を及ぼすことがあります。

夜間の歯ぎしりや食いしばりは、主に睡眠サイクルの浅い眠りの時に起きると考えられています。原因は明確に解明されてはいませんが、ストレスが大きく関わっているとされており、疲れが溜まっていたり環境の変化によって増加するという報告もあります。

日中の食いしばりや噛みしめもストレスや緊張が関与していると考えられています。また集中しているときに噛みしめる癖がある方や、噛み合わせに不安があるため、無意識に噛みしめを行ってしまうという方もいます。

歯ぎしり・食いしばりによるリスク

歯ぎしりや食いしばりを続けてしまうと、歯のすり減りや歯茎が下がるだけでなく、最悪の場合は歯が割れることもあります。また顎の筋肉の強張りや痛み、顎関節の痛みといった症状が起こります。長年にわたって歯ぎしりや食いしばりが続くことで、頭痛や肩こりといった体の不調や、噛み合わせの違和感を発症する可能性があることも知られています。
さらに、顎の筋肉のひとつである咬筋が緊張することで、「エラが張る」「エラが目立つ」という見た目のコンプレックスに繋がることもあります。

歯ぎしり・食いしばりに対する治療法と、ボツリヌス治療の効果

歯ぎしりや食いしばりに対しては、マウスピース(ナイトガード)を使用したり、日常生活で噛みしめの自覚をして意識するというものが主な治療法でした。しかし、これらはあくまでも症状に対する対症療法で、根本的な解決というわけではありません。
そこで、歯ぎしり・食いしばりに対するボツリヌス治療が注目されています。
ボツリヌス治療によって、ボツリヌストキシン製剤を咬筋に注入することで、咬筋の収縮が抑えられ食いしばりの力が発揮できなくなります。そのため、筋肉の強張りが改善して顎の痛みが軽減したり、歯へのダメージが少なくなるだけでなく、エラの張りがすっきりして見えるという効果があります。

ボツリヌス治療の流れと、メリット・デメリット

ボツリヌス治療の流れ

カウンセリング

患者様のお悩みを詳しく聞かせていただきます

診察・検査

お口の中や顎関節の状態について、レントゲンなどを使用して検査を行います

診断・治療説明

検査の結果から考えられる、お悩みの原因について説明をします
複数の治療方針を提示することで、ご自身に合った治療方法を選ぶことができます
ボツリヌス治療を選択された場合は、施術にうつります

ボツリヌス治療

施術前に注意点について確認を行います
施術時間は10~15分程度です
施術終了後はすぐにご帰宅いただけます

アフターケア

施術後2~3日が経過してから、ボツリヌス治療の効果が実感できます
およそ1週間後に効果判定を行い、フォローアップの期間についてご案内します
効果は4~6ヶ月程度持続するため、効果が減弱するころに再度施術を行う場合もあります

ボツリヌス治療のメリット

  • 歯ぎしり・食いしばりに対する筋肉や顎関節への負担が減る
  • 歯のすり減りや歯が割れるのを予防することができる
  • 知覚過敏が少なくなることがある
  • 処置の時間が短く、効果が数か月持続する
  • ダウンタイムが少ない
  • エラの張りが少なくなることで、見た目がすっきりする

ボツリヌス治療のデメリット

  • 一時的に噛む力が弱くなり、食事のときに違和感を感じることがある
  • 注射による内出血が生じることがある
  • 一定期間で効果が減弱するため、数か月ごとの施術が必要となる

注意点とまとめ

当院で行うボツリヌス治療は、小顔効果などの美容医療を目的としたものではなく、歯ぎしり・食いしばりによる歯や顎関節の過剰なストレスを解消することを目的としています。そのため、顎関節の状態や虫歯、歯周病の検査を行うことは必須です。
患者様の見た目が気になる部位ではなく、筋肉の緊張が認められる部位への施術を行っております。

いかがでしょうか。今回は、歯ぎしり・食いしばりに対するボツリヌス治療の概要と、治療の流れ、メリット・デメリットについて解説しました。

歯ぎしり・食いしばりによる症状は、激痛などを伴うことは少ないものの、起床時や食事のときの疲労感から日常生活におけるストレスに繋がります。ボツリヌス治療を行うことで、顎の不快感を軽減できるだけでなく、頭痛や肩こりが改善したりエラ周りがすっきり見えるようになる可能性もあります。

名古屋市千種区にある歯医者 ちくさ池下歯科・矯正歯科では、日本顎関節学会専門医の資格を持つ院長がカウンセリングから顎関節の診断、ボツリヌス治療の施術までを行っております。他にもマウスピース治療などの診療メニューのご案内も可能です。まずは検査と相談だけでも、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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セラミック矯正を行って後悔する理由や、失敗したと感じるポイント

「セラミック矯正は絶対やめておいた方が良いと聞くけど、本当?」

こんにちは。
名古屋市千種区にある歯医者、ちくさ池下歯科・矯正歯科 院長の河村です。

セラミック矯正とは、自分自身の歯にセラミックを装着して、歯並びを美しく整える治療法です。通常の矯正治療のように歯を動かす装置を使用しないため、『矯正』という単語は入っていますが、矯正治療とは全く別物の治療方法となります。

近年、世良美玖矯正は注目を集めており、口元にコンプレックスを抱える方の中には『セラミック矯正で口元を改善したい』と考えている方もいるでしょう。しかし、一方で通常の矯正治療にはないデメリットも存在します。そのため、治療方法を検討するうえで、セラミック矯正のデメリットや失敗について知っておくことがとても重要です。

また、このページを読んでいる方の中には、過去に受けたセラミック矯正を後悔していたり、治療が失敗したと考えていて、リカバリーを検討している方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、「セラミック矯正の失敗について詳しく知りたい」という方に向けて、セラミック矯正で起こるトラブルや、失敗の事例、後悔しやすいポイントについて歯科医師が詳しく解説していきます。

セラミック矯正はどこで受けるべき?

はじめに、セラミック矯正は歯科医師にとってとても難易度の高い治療法です。

セラミックに関する詳しい知識だけでなく、歯並びや審美歯科についてや、セラミックを長期間安定させるための噛み合わせなど、幅広い知識が必要です。また技術的にも、歯を削ることに加えて、歯茎へのダメージを最小限にしたり、仮歯やセラミックの取り扱いなど、高い技術力を身につけていることも必須と言えます。さらに、一度失敗したセラミック矯正のリカバリーとなると、さらに難易度は上がると言えるでしょう。

当院では、日本補綴歯科学会専門医・日本顎関節学会専門医である院長と、日本矯正歯科学会認定医である副院長によるチーム医療で、そのような難しい症例の解決を目指しています。

セラミック矯正で後悔するポイント

セラミック矯正を行ったあとに後悔しやすいポイントについてご紹介します。セラミック矯正で失敗しないためにも、トラブルについて知ることが非常に重要です。

セラミックが割れてしまった

現在、歯科治療で使用されているセラミックはどんどん改良が進んでおり、一昔前のものと比較して格段に質が向上しています。しかし金属のように曲がる材料ではないため、強い力によって割れたり欠けてしまうことがあります。またメタルボンドと呼ばれる、フレームに金属が使用されているものだと表面のセラミックが欠けることで金属が露出してしまいます。

一度装着したセラミックを修理のために外すことはできません。小さく欠けた場合はお口の中で修正することもできますが、そのとき使用する材料が劣化したり、セラミックとの境目が目立ってしまうというリスクがあります。また大きくかけた場合は、一度全部除去して再治療が必要となることもあります。

セラミックの破損トラブルを防ぐために必要なことは、『セラミックの正しい取り扱い』『セラミックの適切な厚みを確保するように削る技術』『精度の高い型採り』『噛み合わせのコントロール』など多岐に渡るため、治療を受ける歯科医院選びが重要と言えるでしょう。

またセラミック破損のリスクが高いと判断された場合は、仮歯の期間を長くしてトラブルが起こらないかを見極めたり、セラミック装着後に夜間のマウスピースの使用をおススメすることもあります。

歯が痛い 歯茎がうずくようになった

歯の中には歯髄(しずい)と呼ばれる神経が通っていますが、セラミックの土台となる歯を削る際に歯髄にダメージが蓄積されてしまうと、歯髄炎を起こすことがあります。歯髄炎が発症すると歯がズキズキ痛む原因になってしまうため、根管治療を行って歯髄を除去する必要があります。

また、元々かぶせ物が装着されていて、根管治療が行われた歯でも、不十分な根管治療が原因となり根尖性歯周炎が発症してしまうことがあります。根尖性歯周炎が起きると、歯の根元がうずいたり、歯茎が腫れて膿が出るなどの症状が出てしまいます。解決のためには、歯科用CTなど撮影して原因となっている歯の特定をしたうえで、根管治療が必要となります。

根管治療によって歯髄を除去された歯は、根管治療を行っていない歯と比較して、歯の寿命が短くなると言われています。できるだけ歯を削る量を最小限にしたり、歯髄を温存できる治療方法を選ぶことで、このようなトラブルを避けることができます。

 歯茎が下がって不揃いになった 歯の根元の黒ずみが目立つ

基本的にセラミックは表面の劣化が金属などと比較して少なく、プラークが付着しづらい材料だと言われています。しかし、セラミックとご自身の歯に隙間や段差があったり、歯の方向を無理に変えたセラミックが装着されていると、その部分の歯磨きが難しくなり、歯肉炎を発症します。歯肉炎が進行すると、歯茎が下がって不揃いな見た目になってしまいます。

歯肉炎の原因が適合の悪いセラミックである場合、いくら患者様が歯ブラシを頑張ったとしても限界があります。歯茎の状態を改善するためには、セラミックのやり直しが必要です。

段差の少ない、適合の良いセラミックを作るためには、担当歯科医師と歯科技工士の高い技術が不可欠です。「歯ブラシ指導のないまま治療が進む」「仮歯の状態で歯茎からよく出血する」このような場合は要注意かもしれません。

 食べづらい・噛みづらくなった 噛み合わせが悪くて顎が痛い

セラミック矯正では、通常の矯正治療とは異なり歯を移動させずに見た目を改善するため、歯の傾きや方向に無理が生じる場合があります。それが噛み合わせの悪さや、食事のしづらさに繋がることもあります。また前述のようにセラミックが割れることがある材料のため、トラブルを避けるために全く噛んでいないセラミックが装着されている場合もあります。このように見た目だけを優先したセラミック矯正が行われることも、残念ながら存在します。

噛み合わせの悪いセラミックが装着されていると、他の歯や顎関節にしわ寄せが生じて、歯やセラミックが割れたり顎関節症になるリスクがあります。セラミックの長持ちのためには安定した噛み合わせが必要不可欠です。仮歯の期間に食事のしづらさを確認したり、担当医が細かい噛み合わせの調整をしてくれるか、見極める必要があるでしょう。

見た目に満足していない

セラミック矯正を行ったのに、思ったよりも見た目が改善しなかったと感じてしまう理由として、「セラミックの色や形に対する不満足」と「横顔のバランスが改善しなかった」というふたつの原因が考えられます。

セラミックは、歯の透明感やグラデーションをとても細部まで再現できる材料ですが、そのためには歯科医師・歯科技工士の技術だけでなく、患者様の要望を聞き取るコミュニケーションが必須です。「他の歯と色味を合わせたい」「できるだけ白い歯にしたい」など、時間をかけたカウンセリングを受けることで、セラミック矯正で失敗したと後悔する可能性を減らすことができるでしょう。

またセラミック矯正は歯の傾きを変えることはできますが、歯茎の位置を変えることはできません。特に「出っ歯」や「口ゴボ」の方は、思ったよりも改善しなかったと治療を後悔することになってしまいます。口元の改善のためには通常の矯正治療が必要です。患者様のお悩みに対していくつかの治療方法を提案してくれるか、治療法によってできることとできないことをしっかりと説明してもらえるか、がとても重要です。

セラミック矯正はやり直しできるの?

これまで解説した通り、セラミック矯正には歯科医師の幅広い知識と高い技術だけでなく、同じくセラミックに精通した歯科技工士とのコラボレーションがとても重要です。また、患者様が一度失敗したと感じている治療をやり直す場合、初回の治療よりも治療の難易度が格段に上がります。慎重に医院選びを行う必要があるでしょう。

当院では、日本補綴歯科学会専門医・日本顎関節学会専門医の資格を持っている、セラミック治療と噛み合わせの専門家である歯科医師が治療を担当します。さらに、必要な場合は日本矯正歯科学会認定医による矯正治療など、様々な治療オプションを取り揃えています。

お悩みを解決するお手伝いができるよう、様々な方法をご提案させていただきますので、ぜひ一度カウンセリングでご相談ください。

まとめ

いかがでしょうか。今回は、セラミック矯正で失敗したと後悔するポイントと、セラミック治療のやり直しについて解説しました。

セラミック矯正やセラミック矯正の再治療は難易度が高いため、歯科医院選びが重要です。さらに、その歯科医院でカウンセリングを十分に受け、メリットとデメリットをしっかりと理解したうえで治療法を選択することが、セラミック矯正で後悔しないためにもっとも重要と言えるでしょう。

名古屋市千種区にある歯医者 ちくさ池下歯科・矯正歯科では、日本矯正歯科学会認定医の資格を持つ歯科医師と、日本補綴歯科学会専門医の資格を持つ歯科医師が協力して、患者様のお悩みを解決できる体制を整えています。まずは検査と相談だけでも、もちろん可能です。お悩みや不安について、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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矯正治療の費用について

「矯正治療の料金って高いよね」「矯正治療の治療費にはどんな内容が含まれているんだろう」

矯正歯科治療の治療費は高額となるイメージがありますが、どのような内訳になっているか気になった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、「矯正治療の治療費の内訳を知りたい」という方に向けて、初診から治療終了までにかかる費用の内訳について、実際の治療の流れに沿って解説していきます。

はじめに(矯正治療はなぜ高額?)

矯正歯科治療が高額となる理由は、医療保険(公的医療保険)の対象とならない「自由診療」、つまり全額自己負担となる治療であるためです。
医療保険は「病気を治すための治療」に対して国が治療費の一部を負担する制度です。矯正治療の多くは、歯並びを治す・整えるための治療であり、歯並びが悪いだけでは虫歯や歯周病の直接的な要因にはならないという考えのため、矯正治療は基本的に医療保険制度の対象外となっています。
※先天性疾患による不正咬合や外科的矯正治療の場合は、保険治療の対象となります。

矯正治療の料金の内訳は?

矯正治療の大まかな流れは、(1)初診相談(2)検査・診断(3)動的治療(歯を動かす治療)(4)保定治療(動かした歯を安定させる治療)となっています。それぞれでかかる費用について解説します。

治療前の料金(初診相談、検査・診断)

初診相談

お口の診察と写真撮影を行います。必要に応じてレントゲン撮影や口腔内スキャンを行う場合もあります。診察結果と写真をもとに、考えられる治療の内容や費用の概要をお話しします(正確な治療計画の立案には検査・診断が必要です)。

検査・診断料

検査では、歯科用CT、口腔内スキャン、顔写真の撮影、虫歯・歯周病のチェックなどを行います。歯科用CTではあごの骨や歯、顎関節の状態を3次元的に把握したり、お顔を横から見たレントゲン写真を作り、上下のあごのバランスや歯の傾きなどを確認します。口腔内スキャンでは咬み合わせの記録をとります。これらの検査結果を分析し、患者さんの現在の状態を詳しく調べます。
診断では、検査結果の説明、治療計画・治療費についてお話しします。検査結果をもとに治療計画を立てているため、初診相談時にお話しした内容と異なる場合があります。

治療中の料金

歯を動かす治療を動的治療と言います。動的治療は患者さんの年齢・生え代わりの状態に応じて乳歯列矯正治療、第一期治療、第二期治療に分けられます。

乳歯列矯正治療

乳歯列の方を対象とした矯正治療です。既製のマウスピース型矯正装置を使用し、咬み合わせやあごのバランスなどを改善します。

基本技術料(第一期治療)

第一期治療は混合歯列期の矯正治療です。第一期治療では歯列の拡大や上下のあごのバランスを整えるなど、今困っていることの改善に加え、将来生えてくる永久歯のための土台作りを目的に治療を行います。取り外し式の拡大装置や、固定式のワイヤー装置などを使用します。装置代は基本技術料に含まれます。

基本技術料(第二期治療:ワイヤー矯正)

第二期治療は永久歯列期の矯正治療です。ワイヤー装置で治療を行う場合の基本技術料となります。ワイヤー装置代は基本技術料に含まれます。当院で第一期治療を行った方は、第二期治療の基本技術料から第一期治療の基本技術料を差し引いた金額となります。

基本技術料(第二期治療:マウスピース矯正)

第二期治療は永久歯列期の矯正治療です。マウスピース矯正の場合、治療難易度によって料金が異なります。当院で第一期治療を行った方は、第二期治療の基本技術料から第一期治療の基本技術料を差し引いた金額となります。

部分的矯正治療

部分的矯正治療は前歯のみ、奥歯のみといったように部分的に矯正装置をつける治療です。補綴治療(かぶせ物の治療)の前に歯を整えたり、骨の中に埋まって出てこられない歯を引っ張る治療などが対象となります。

調整料

矯正装置を装着すると、月に一度調整が必要となります。第一期治療、ワイヤー矯正治療、マウスピース矯正治療、部分的矯正治療のいずれも毎回調整料がかかります。

観察料

乳歯列矯正治療の方が対象です。乳歯列矯正治療の方は月に一度観察が必要であり、毎回の観察料がかかることがあります。

抜歯

矯正治療に関わる抜歯は保険治療の対象外となります。抜歯料金には痛み止め等のお薬代も含まれます。親知らずおよび乳歯の抜歯は保険治療の対象となります。

付加装置

第二期矯正治療(ワイヤー矯正治療)の際、ワイヤー装置と併用して、付加装置を使用する場合があります。歯列の幅を広げたり、歯を後ろへ動かすなど、歯を動かす際の補助装置として使用します。

歯科矯正用アンカースクリュー

歯科矯正用アンカースクリューとは、矯正治療を効率的に進めるために開発された装置です。第二期治療(ワイヤー矯正治療)で使用します。あごの骨に小さなネジをうち、歯を動かす支えとして使用します。ワイヤー装置だけでは動かせない方向に歯を動かしたり、治療を効果的に進めることが可能となります。料金内には埋入費用・痛み止め等のお薬代も含まれます。

審美ワイヤー(ホワイトワイヤー)

できるだけ目立たない装置をご希望の場合、白いコーティングが施されたワイヤーをご用意しています。当院の場合では、基本技術料に審美ワイヤー(ホワイトワイヤー)料金が追加となります。

治療後の料金(保定装置、観察料)

矯正治療で歯並びを整えたあとは、動かした歯を安定させるための治療(保定治療)が必要です。

保定装置

固定式あるいは取り外し式の保定装置を使用します。

保定観察料

保定治療中は3-4か月に一回、保定観察が必要です。歯並びが安定しているか、保定装置を問題なく使えているかを確認します。当院では虫歯・歯周病のチェックと併せて行います。

矯正治療費の支払方法について

一括でお支払い

当日お支払いいただく場合は、現金もしくはクレジットカードがご利用いただけます。
銀行振り込みをご希望の場合は、装置装着日までに指定の口座にお振込みください。

分割払い

分割払いをご希望の場合はデンタルローンをご利用いただけます。

医療費控除の対象になります

医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間にかかった医療費の総額が一定額を超えた時に適用される制度で、確定申告の際に所得税の一部が還付されます。
矯正治療は治療を行う目的や治療を受ける年齢によって矯正治療が「必要」と認められる場合、医療費控除の対象となります。
発達段階にある子どもの矯正治療は、歯ならびや咬み合わせを改善し、良好な成長を促すために必要な治療と考えられるため、医療費控除の対象となります。
成人の矯正治療は、咀嚼や咬み合わせなどの問題の改善を目的とする場合は医療控除の対象となります。見た目の改善など、美容のみを目的とした場合は控除の対象になりません。

医療費控除の対象となる医療費は以下のものになります。

  • 矯正治療に関わる基本的な費用(検査・診断料、基本技術料、調整料など)
  • 治療に伴い必要となる抜歯費用や医薬品の購入費用など
  • 通院のための公共交通機関による交通費、子どもの通院の付き添い人の交通費など(自家用車のガソリン代、駐車料金などは対象となりません)

治療費の領収書は再発行できませんので、必ず保存しておいてください。

矯正治療が保険適応になる場合

矯正歯科治療は一般的には保険適用外ですが、以下の場合に限り、保険診療の対象となります。
①「別に厚生労働大臣が定める疾患」に起因した咬合異常に対する矯正歯科治療
②前歯及び小臼歯の永久歯のうち3歯以上の萌出不全に起因した咬合異常(埋伏歯開窓術を必要とするものに限る。)に対する矯正歯科治療
③顎変形症(顎離断等の手術を必要とするものに限る)の手術前・後の矯正歯科治療
なお、これらの保険が適用となる矯正歯科治療を行える医療機関は、厚生労働大臣が定める施設基準に適合しているものとして地方厚生(支)局長に届け出た保険医療機関のみになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は、矯正治療の初診から治療終了までにかかる費用について解説しました。あくまでも当院の矯正治療費用を基に解説しているため、医院によって異なる場合があることはご了承ください。

矯正治療は、「ほとんどが健康保険適応外であること」「治療期間が長くかかること」「専門性の高い治療であること」といった理由から、治療費が高額になります。しかし、見た目のコンプレックスが解決できるだけでなく、将来的な虫歯や歯周病のリスクも下げられるなど、多くのメリットもあります。矯正治療で後悔しないために、費用の安さだけではなく、担当歯科医師の雰囲気や経歴なども事前にチェックしておくと良いでしょう。

歯並びはひとりひとり個性があり、治療内容や使用する装置などについては一概には言えません。気になることがあれば、まずは矯正治療専門の歯科医師に相談すると安心です。お口の中を実際にみて、それぞれにあった治療プランをご提案してもらえます。
当院では無料矯正相談を行っております。いつでもお気軽にご相談ください。

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セラミック矯正がおススメできる方の特徴とその注意点

「自分の歯並びは、矯正治療とセラミック矯正のどちらが最適なの?」
口元にコンプレックスがある方で、気になる部分だけ治療したいと考えた場合、ネットで調べるとセラミック矯正という治療が選択肢として挙がってきます。

審美的なセラミックを被せる治療法は以前から歯科医院でよく行われていますが、『セラミック矯正』という単語は比較的新しいものになります。セラミック矯正について調べると、『後悔』『やらない方が良い』など、ネガティブな記事や体験談も多く見られ、不安を感じる方もいらっしゃると思います。

また過去にセラミック矯正を受けた経験がある方々の中にも、セラミックや歯のトラブルが原因で後悔していたり、リカバリー(再治療)を検討している方もいらっしゃるかもしれません。

セラミック矯正はメリットも存在する反面、合わない場合は無理な治療を進めることで後悔する原因になってしまいます。

この記事では、「セラミック矯正が自分に合っているかどうかを知りたい」という方に向けて、セラミック矯正がおススメされる状況や、その特長と注意点について歯科医師が詳しく解説していきます。

セラミック矯正とは

セラミック矯正とは、歯の形態や歯並びを美しく整え、笑顔の印象や横顔のバランスを整えるためにご自身の歯にセラミックを装着する治療法です。通常の矯正治療とは異なり、歯を動かす装置を使用しないため、厳密には矯正治療には分類されません。歯を動かす代わりに「歯を削って人工物(セラミック)を装着する」必要があるため、『審美補綴治療』や『美容治療』の一環として位置づけられることもあるようです。

セラミック矯正には通常の矯正治療にはない、以下のようなメリットがあります。

  • 治療期間が短い
  • 矯正装置が必要ない
  • 後戻りが起こらない(少ない)
  • 歯の形態や色味も改善することができる

詳細は前回の記事(セラミック矯正について 通常の矯正治療との違い、メリットとデメリットを解説)をご参考にしてください。

このような特長を持つセラミック矯正ですが、もちろんデメリットも存在します。また、お口の中の状況によってはセラミック矯正よりも通常の矯正治療が最適な場合もあります。

セラミック矯正が適している方はどのような特徴があるのでしょうか。

セラミック矯正がおススメな方

セラミック矯正が適していると考えられるお悩みの特徴と、その場合の注意点をご紹介します。

短期間で治療を終わらせたい方

通常の矯正治療では、歯を動かすというプロセスが必要なため、治療には長い期間がかかることがあります。治療前の歯並びによって異なりますが、短くても半年程度、長い場合は治療が完了するまで2〜3年かかることも珍しくありません。

一方、セラミック矯正では、必要な治療箇所によって期間が前後しますが、少ない本数の場合には1〜2ヶ月で治療を終えることも可能です。セラミック装着の前に虫歯や歯周病(歯肉炎)の治療が必要な場合でも、通常は3ヶ月〜半年程度で完了するため、1年以上の期間が必要となることはほとんどありません。

生活スタイルやライフイベントによって、あまり長い治療期間をかけることができず、気になる部分だけの治療を行いたい方には、セラミック矯正がおススメです。

注意点として、通常の矯正治療と比較して治療期間が短いとはいっても、多数の虫歯がある場合や、根の炎症が進行して根管治療に時間がかかる場合など、予想よりも長い期間が必要になることもあります。また、セラミック矯正ではなく通常の矯正治療を選択することで、歯の切削や神経の除去を回避できる可能性があることも考慮しましょう。削った歯は元には戻らないので、治療期間や通院回数と、歯の健康と、どちらを優先するかをしっかりと考えましょう。

気になる場所や治療箇所が少ない方

ご自身の歯について気になっている本数が限られている場合、歯並び全体の治療は必要なく、部分的な治療のみで悩みを解決できる場合があります。例えば、「前歯4本の歯並びと色味だけ改善したい」ときなど、セラミック矯正では気になっている部分をピンポイントで治すことができます。

注意点としては、患者様ご自身が特定の歯のみの治療を希望されている場合でも、歯科医師からは全体の治療が必要だと判断されることもあります。少ない本数で無理に治療を進めることで、左右の見た目や、歯の大きさのバランスが乱れてしまう可能性もあるため、事前に適切な検査と相談を行い、歯科医師と患者様とで治療後のイメージについて共有を行うことが重要です。

また、費用についても気を付ける必要があります。セラミック治療は通常1本 7万円〜15万円程度であり、矯正治療は一般的に60万円〜100万円程度と言われています。6本のセラミック装着を行う場合では、セラミック矯正の方が通常の矯正治療よりも費用が高くなってしまう可能性もあります。治療費についても、見積などを提示してもらい、治療期間と併せて事前に確認を取る必要があるでしょう。

既に治療された歯が多い方、元々の歯の形態や色味が悪い方

過去の虫歯の治療で詰め物やかぶせ物が多数装着されている場合、矯正治療で歯並びを整えただけでは、古い詰め物やかぶせ物の色味が目立ってしまうことがあります。この場合、矯正治療後に詰め物やかぶせ物の交換が必要で、治療期間が長引いたり、費用がかさんでしまうことがあります。

また、元々の歯の形態や色味が望ましくない場合も考慮が必要です。特に生まれつき歯のサイズが小さい『矮小歯(わいしょうし)』の状態では、通常の矯正治療だけでは理想的な歯の大きさにすることができません。セラミックを装着することで、他の歯との大きさのバランスを整え、より美しい笑顔をデザインすることが可能です。

注意点としては、このようなケースでも、通常の矯正治療とセラミック治療を組み合わせることで、より審美的な結果を得られることが多くあります。セラミック矯正のみでは、健康な歯を削る必要があったり、治療計画に無理が生じてしまう可能性があります。また、歯並びの悪さから虫歯になってしまっている場合には、根本的な解決にならないことも留意すべきです。

既にセラミックが装着されているけど満足していない方

過去の事故や虫歯治療、以前行ったセラミック矯正によってセラミック治療を受けた経験があるという方々、次のような症状でお悩みではないでしょうか?

  • 自分の歯とセラミックの色味が合っていない気がする
  • セラミックが欠けてしまって、形が不自然になった
  • 歯茎の位置が変化して、セラミックと歯茎の間が黒ずんできた
  • セラミックを装着した歯を磨くと、歯茎から血が出ることがある
  • 歯の根元がときどき腫れる、押すと痛みを感じる

このような症状がある場合は、通常の矯正治療では解決できないため、セラミックを作り直す必要があるかもしれません。さらに、歯肉炎や根尖病巣(根の先の炎症)は放置することで進行し、歯の寿命を縮めてしまい、後悔することになってしまいます。

セラミックの再治療に合わせて、セラミック矯正や通常の矯正治療を併用することで、気になっていたところを解決し、バランスのとれた美しい口元を演出できるようになります。

注意点としては、セラミックのリカバリー(再治療)には、再根管治療(神経を取った歯の再治療)や土台の修正、歯肉ライン(歯茎の形や高さ)の調整、仮歯の調整など、とても複雑で難しいステップが必要になるため、歯科医院の選択が重要です。治療する歯科医院をしっかり選ばないと、理想の結果が得られないだけでなく、治療前よりも悪い状態になってしまうこともあります。セラミックの治療実績が豊富な歯科医院や、噛み合わせ専門医や矯正治療の専門医が在籍する歯科医院を選ぶことで、提案される幅広い方法から最適な治療を検討することができるでしょう。

セラミック矯正がおススメな方に共通の特徴

それでは、どのような方にセラミック矯正が適しているのでしょうか。
セラミック矯正がおススメできる方の共通の特徴をご紹介します。

奥歯の噛み合わせに問題がない

セラミック矯正で治すことができるのは、主に歯の外見だけです。そのため、奥歯の噛み合わせが安定している方が、セラミックが欠けたり割れたりしづらく、長期的な安定が期待されます。

セラミック矯正は歯の移動を伴わないため、噛み合わせなど機能的な部分は改善することができません。奥歯の噛み合わせに問題があると、セラミックの破損リスクが高くなるだけでなく、将来的に顎関節症などの原因となることがあります。通常の矯正治療によって噛み合わせ全体のバランスを整えたり、ナイトガード(夜間に使用するマウスピース)を装着することで、歯ぎしりによるセラミックの破壊を予防したりすることが必要かもしれません。

骨格的に問題がない

上下の顎の骨の位置関係に問題がない場合には、セラミック矯正で前歯を治療することで、調和のとれた噛み合わせを手に入れられる可能性が高いです。

上顎前突(出っ歯)、下顎前突(反対咬合・受け口)、上下顎前突(口ゴボ)の方などは、歯並びだけではなく、骨格的に問題があるケースが多くあります。セラミック矯正による歯だけの治療では骨格のバランスの悪さを改善できません。このような場合には、通常の矯正治療で歯を動かすことによって、骨格のバランスを改善することが望ましい場合もあります。骨格の悪さを無理にセラミック矯正だけで治そうとすると、最悪の場合、歯が折れてしまうなどの、重篤なリスクが高まる可能性があります。

また顎の骨に問題がある場合は、噛み合わせの変化などで、せっかくきれいに直したセラミックが長持ちしない可能性もあります。上下の顎の骨の前後的なバランスや顎関節の状態など、治療を行う前に、歯だけではなく骨格のバランスも調べておく必要があるでしょう。

横顔のバランスが整っている

上の項目と類似しているのですが、横顔のバランスに問題がある場合、セラミック矯正ではお悩みを改善できない可能性が高いです。

上顎前突(出っ歯)、下顎前突(反対咬合・受け口)、上下顎前突(口ゴボ)など、横顔にコンプレックスを持っている方も多いのではないでしょうか。セラミック矯正は前歯の傾きを修正できる範囲に限界があるため、横顔の雰囲気を大きく改善することが難しい場合がほとんどです。こうした場合には、通常の矯正治療によって歯を動かすことで、骨格のバランスを改善することがより効果的かもしれません。

部分矯正で対応できるケースも

上に述べたような、「奥歯の噛み合わせに問題がない」「骨格的に問題がない」「横顔のバランスが整っている」方の前歯の歯並びに関するお悩みに対しては、部分矯正で対応できるケースがほとんどです。

通常の矯正治療では60〜100万円の費用が必要ですが、部分矯正であればその半分の費用で済む場合もあります。本数によっては、セラミック矯正よりも費用を抑えられるかもしれません。しかし、治療期間が数か月〜1年以上かかる場合もあるというデメリットも存在するため、慎重に検討することが重要です。また、歯の形態や色味は修正することができないことも注意する必要があります。

部分矯正とセラミック矯正を併用することで、両方のメリットを受けられる場合もあるでしょう。

まとめ

いかがでしょうか。今回は、セラミック矯正がおススメされるポイントについて解説しました。

セラミック矯正は「矯正」という単語が含まれていますが、実際は矯正治療よりも補綴治療(かぶせ物など、人工歯を装着する治療)に分類されています。そのため、それぞれ特徴の違うメリット・デメリットが存在しますので、注意が必要です。

歯並びに対するコンプレックスやお口の中の状態はもちろん、かけられる時間や費用も人それぞれ異なります。知人や有名人の体験談だけでは、その治療法が自分に合っているのかどうか、判断ができない場合も多いでしょう。歯並びの治療で後悔しないためにも、歯科医院でしっかりと検査を受け、まずは現状の分析と様々な方法の提案を受けることをおススメします。

当院では、日本矯正歯科学会認定医の資格を持つ歯科医師と、日本補綴歯科学会専門医の資格を持つ歯科医師が協力して、患者様のお悩みを解決できる体制を整えています。まずは相談だけでも、もちろん可能です。お悩みや不安について、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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歯科医院における、歯科用CTの特徴と撮影することのメリットについて

「歯科医院でCTを撮影する理由は?」
「自分にもCT撮影が必要なの?」

CTについて、みなさまはどの程度ご存知でしょうか。
『CT』という言葉については、医療ドラマなどで聞いたことがあるという方が多いかと思います。現代では、医科の領域はもちろん、歯科の領域でもCTによる診断は必須と言っても過言ではありません。しかし、「歯科医院でCT?」と疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。

この記事では、「CTと普通のレントゲンとの違いは?」「歯科医院でCT撮影をした方が良いと言われたけど、本当に必要なの?」という方に向けて、歯科医院でCT撮影を行うべき状況や、そのメリットについて歯科医師が詳しく解説していきます。

歯科用CTについて

歯科医院で導入されているCTは、歯科用CT(コーンビームCT・CBCTとも呼ばれます)といって、歯科治療に特化したCT撮影機器を使用しています。
医科用CTと比較した際の歯科用CTの特徴としては、以下の通りです。

  • 横たわって撮影する医科用CTと違い、立ったまま(座ったまま)撮影ができる
  • 撮影した画像の解像度が高い
  • 撮影時間が短い
  • 被ばく量が少ない

このような特長がある歯科用CTですが、どの歯科医院でも撮影ができるわけではありません。歯科用CTの導入率(普及率)は、歯科医院全体の10〜20%と言われています。
決して安価な機材ではないことや、CTの撮影や画像の読影(CT画像を正確に読み解いて診断をすること)にも特別な知識や技術が必要です。そのため、歯科医院のCT導入は高いハードルがあるのも事実です。しかし、当院においてもCT撮影の頻度はとても高く、正確な診断のためには必須であると考えています。

歯科用CTと通常のレントゲン撮影との違い

歯科用CTと通常のレントゲン撮影との違いは、でき上がる画像の次元の違いです。
通常のレントゲン撮影は、人体という3次元(立体)のものを2次元(平面)に投影しています。例えて言うと、影絵のようなものです。そのため、得られた画像からは奥行きや前後関係を正確に把握することができません。

歯科用CTでは、3次元での撮影が可能となります。撮影されたものをそのまま3次元の画像として確認できたり、様々な断面として確認することが可能です。そのため、通常のレントゲン撮影では確認することができなかった、顎の骨の厚み、歯根の詳細な形、親知らずと神経の距離、顎関節の形などを正確に読み解くことができます。

ちなみに、歯科用CTやレントゲン撮影は、硬組織の描写に優れています。すなわち、歯や骨などの硬い組織を見分けるのがとても得意です。そのため、骨折や骨の変形、歯を支える骨の量、歯のエナメル質の厚みや虫歯の深さなどは細かく診断できます。その一方で、血管・神経・筋肉・脂肪・歯茎などの軟組織を見分けることは少し苦手です。ただし、骨の中を走行する神経などは、骨の形状から推察することもできます。

歯科用CTの安全性について

歯科用CTはとても安全に使用することができます。通常のレントゲン撮影やCT撮影を行う上で、放射線による被ばくが発生しますが、歯科用CTが健康に及ぼす影響は全くないと言えます。

歯科用CTの被ばく量は医科用CTの1/10程度であり、また撮影範囲が頭頚部に限定されていることから放射線の被ばくはとても少ないです。その被ばく量は、東京〜ニューヨークを飛行機で移動するのと同じ程度、または日本における年間の自然放射による被ばく量の1/10以下と言われており、人体に対する有害な影響はほとんどありません。

さらに、万が一、妊娠に気付かずに歯科用CTを撮影してしまった場合でも、被ばく量が少ないこと、撮影範囲が腹部と離れていること、防護用エプロンを着用していることから、胎児への影響はほとんど考えられません。ただし、妊娠の可能性がある場合は、あらかじめ担当医にお伝えください。

一般的に、CTなど、レントゲン撮影では『リスクとベネフィット』という考え方があります。つまり、患者にとってのリスク(被ばくの危険性)よりも、撮影によって得られるベネフィット(正確な診断ができるという利益)が大きいと判断される場合に、撮影が行われるというものです。そのため、すべての患者様にCT撮影が必須というわけではなく、歯科医師が本当に必要と判断した時以外は撮影の提案をすることはないため、ご安心ください。

歯科用CT撮影を行う治療内容と、得られるメリット

それでは、具体的にはどのような処置に対して歯科用CTによる撮影が行われるのでしょうか。撮影によって得られるメリットと合わせてご紹介します。

インプラント治療

インプラントを支えるために必要な骨の厚みや量、骨の質を見極めることができます。また、血管や神経の走行や上顎洞までの距離を計測することで、安全にインプラント手術を行う手助けをします。
既に埋入されているインプラントの炎症の有無や骨の安定性を診断するのにも役立ちます。

矯正治療

上あごと下あごの位置関係や骨格のバランスを評価し、お顔に調和した美しい歯並びを実現することに役立ちます。また、埋まっている親知らずや顎関節の状態を把握するのにも役立ちます。また、歯を動かすための骨の厚みを確認することで、矯正治療後に歯茎の変化を防止できます。

顎関節症治療

顎関節の骨の形や、上下の骨の位置関係を確認できます。また、お口を閉じた状態と開けた状態との画像を見比べることによって、顎関節の動きの左右差を検出することができます。

親知らず抜歯

親知らずの埋まっている位置だけでなく、親知らずの歯根の形や前の歯との位置関係を事前に評価することで、スムーズな処置が可能になります。また、血管や神経との距離を正確に計測できるため、安全に抜歯を行うことができます。

根管治療(歯根破折の状態)

歯根の数や形は人それぞれ異なります。CTによる評価は、歯根の位置や曲がり具合を正確に確認し、歯根の先端に存在する炎症の大きさを正確に把握できます。歯根が割れている場合、割れる位置によっては通常のレントゲン撮影では写ってきませんが、CTで様々な角度から確認することで割れている場所を診断できます。

歯周病治療

歯を支える骨の量や、歯周病によって骨が溶けてしまっている部分を正確に診断できます。また、歯周病の手術前にCT撮影を行うことで、手術範囲を最小限に抑えることができ、安全で低侵襲な処置が可能となります。

通常のレントゲン撮影の方がメリットが大きい場合も

これまでCT撮影のメリットを記載してきましたが、通常のレントゲン撮影にも優れた点があります。

CT撮影では、口腔内の金属の周囲にアーチファクトというノイズが出現してしまい、画像が荒れて診断性能が落ちてしまうことがあります。一方で、通常のレントゲン撮影の方が金属と歯の境目にある虫歯や、金属が装着された歯の歯周病の状態を評価するのに適しています。さらに、通常のレントゲン撮影の方が顎の骨や歯の状態を一目で確認しやすかったり、手軽に撮影できることから、処置前と処置後の比較がしやすかったりします。

このように、用途によって撮影の方法を使い分けることが重要です。

まとめ

いかがでしょうか。今回は歯科医院でCT撮影を行うべき状況や、歯科用CTのメリットについて解説しました。

歯科用CTの撮影には必ず被ばくを伴いますが、最新機種では低被ばくで高品質のCT撮影が可能となります。CT撮影を行うことで、通常のレントゲン撮影では分からないような詳細な情報を得ることができ、より正確な診断が可能となります。また、歯科用CTは特別な診断方法というわけではなく、顎関節症治療、歯周病治療、根管治療などでは健康保険適応範囲内で撮影することも可能です。

さらに、CT撮影は保険適応外の治療にも幅広く使用されます。特に、インプラント治療を受ける場合にはCT画像を使用した診断は必須と言えるでしょう。学会からも、患者様の安全を考えて、インプラント治療前にはCT撮影を100%行うべきであると推奨されています。

歯科用CTを使用した精密検査を行えるかどうかが、歯科医院選びのポイントになるかもしれません。

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