ブリッジ治療で知っておきたいこと

Dental bridge of 3 teeth over molar and premolar. Medically accurate 3D illustration of human teeth treatment

「歯を抜いたあとの治療をしたいけど,インプラントがベストなの?」
「お口の中にブリッジがあるけど,そのままで大丈夫なのか心配」

当院では,歯が無くなった部分の治療に対して,インプラントをオススメしております。その理由として,インプラント治療には,天然歯のような審美性が回復できる・他の歯の負担を減らすことができる・長期間かみ合わせを維持することができる,といった他の治療には無いメリットが存在するためです。しかし,ブリッジや入れ歯など他の治療法が,すべての面でインプラントに劣るということではありません。ブリッジも入れ歯も素晴らしい治療法であり,お口の中の状況によってはインプラントよりもメリットがある場合もあります。

この記事では,「ブリッジを選んで後悔した」「良く分からないままブリッジにしてしまった」ということが無いように,ブリッジについての特徴や,メリット・デメリットなどを解説していきます。

ブリッジとは

ブリッジは歯を失った場合に対する治療法のひとつで,歯が無い部分の両隣を土台にして,ダミーの歯を連結したものを装着します。歯が無い部分に橋渡しされているような格好になるため,ブリッジと表現します。専門用語では,両隣の歯を「支台歯」,ダミーの部分を「ポンティック」と呼ばれています。

ブリッジの特徴としては,歯が無い部分の両隣にご自身の歯が必要なこと(例外として延長ブリッジ(カンチレバーブリッジ)というものもあります),セメントで装着するため患者さん自身で取り外しできないこと,が挙げられます。また,歯が無いところが1本や2本といった少数の場合にブリッジが適応される場合が多いですが,お口の状況によっては合計で10本程度の歯を装着する場合(ロングスパンブリッジ)もあります。

ブリッジ治療の流れ

メタルブリッジの治療の流れ

保険適応の場合には,主に金銀パラジウム合金という金属が使用されます。前から数えて4番目までは樹脂の材料で表面だけ白くすることも可能ですが,奥歯はほとんどが銀色の見た目になります。
一般的な治療の流れとしては,

土台の歯(支台歯)の治療を行い,形を整える
寒天とアルジネートで型採りを行う(印象採得)
仮歯,もしくは仮の蓋を歯に取り付ける

金属のブリッジを装着する

と最短2回の来院で治療を終えることができます。

セラミックブリッジの治療の流れ

保険適応外となりますが,セラミックを使用して,より審美的なブリッジを作ることもできます。主に使用される材料としては,メタルボンド(セラミック+金属)やジルコニア(オールセラミック)が多いです。

セラミックブリッジの特徴としては,金銀パラジウム合金と比較して「透明感があって見た目が良い」「精密に作られている」「プラークが付着しづらく,土台の歯の虫歯や歯周病のリスクが低い」ということが挙げられます。見た目だけでなく,残っている歯の健康や長期間の予後を考えた場合,セラミックブリッジの方が多くのメリットが存在します。

一般的な治療の流れとしては,

土台の歯(支台歯)の治療を行い,仮歯を装着する

仮歯を調整する(噛み合わせ,見た目,ダミー(ポンティック)部分の汚れ具合など)

シリコン,もしくは口腔内スキャナーで精度の良い型採りをする(精密印象採得)

仮の状態で確認し,噛み合わせや色の微調整をする(試適)

できあがった物を仮付けして,一定期間使用感を確かめる(仮着)

トラブルが無いことを確認して,セメントで装着する(合着)

となっており,保険適応の場合よりも時間がかかることが多いですが,それだけ審美的で精度の良い,満足のいくものを作ることができます。

ブリッジ治療のメリット

先に述べたブリッジの特徴に加えて,他の治療法と比べた際のメリットをご紹介します。

入れ歯と比較した際のメリット

自分の歯の感覚を残して,しっかりと噛むことができる

ブリッジでは両隣の自分の歯を支えにすることから,食物の硬さや噛み心地を,自分の歯と同じように感じることができます。またセメントで固定することから,自分の歯がしっかりしていれば食事中に動くこともありません。

取り外しの手間やわずらわしさがない

自分の歯に装着されているため,入れ歯のように食事の際や夜間に取り外すことや,洗浄液に漬け置きする必要がありません。歯ブラシや歯間ブラシでお手入れすることができます。

バネが目立たない

入れ歯には歯に固定するバネが必要で,前歯だとそのバネが目立つことがありますが,ブリッジではそのバネが必要ありません。ただし,保険適応のブリッジの場合には,奥歯は銀色になってしまいます。

インプラントと比較した際のメリット

手術の必要がない

ブリッジの治療では,基本的には歯茎を切る・骨を削るなどの外科処置を必要としないため,手術に伴うリスクを回避することができます。

治療期間が短い

インプラント治療では骨と結合する治癒期間を待つ必要があるため,治療期間が半年以上にも及ぶことがあります。ブリッジは最短2回の来院で装着することができ,治療期間が短くなります。

【材料によっては保険適応が可能】
ブリッジは健康保険の適応範囲内で治療することが可能で,その場合は治療費を抑えることができます。

ブリッジ治療のデメリット

ブリッジで後悔しないために知っておいてほしい,デメリットは以下の通りです。

適応できる範囲が限られる

ブリッジは歯を支えにするため,原則として歯が無い部分の両隣にある程度しっかりとした歯が必要です。そのため,一番奥の歯を失ってしまった場合や,多くの本数の歯が無い場合には適応できません。歯が無い部位や本数によって,歯を削る本数が定められており,思っている以上の本数を取り込む必要がある場合もあります。

お手入れが難しい

取り外しの必要がないことからブリッジはブラッシングでお手入れができますが,連結部分やダミーの人工歯の下が汚れやすく,虫歯や歯周病,口臭などの原因となってしまいます。連結部分はフロスを通すことが難しため,歯間ブラシを使用する必要があります。

修理ができない

歯に固定するため,ブリッジの破損や土台の歯の虫歯などで再治療が必要となった場合には,ブリッジそのものを壊して取り外す必要があります。一方,入れ歯やインプラントの上部構造は取り外しができることから,再製作することなく簡単な修理を行うことができます。

健康な歯を削る必要がある

ブリッジは両隣の歯にクラウンやインレーを装着することで固定されています。そのため,特に両隣が健康な歯であった場合には,歯を削ることによるリスクが伴います。

さらに,例えば 支台歯‐ダミー‐支台歯 といった3ユニットのブリッジの場合,隣の歯には元々の1.5倍の噛み合わせの力がかかってしまいます。歯を削るリスクや,受ける力が増加することから,ブリッジの支台歯は健康な歯と比較して寿命が短くなります。

ブリッジによる治療が向いているとき・向いていないとき

歯科医師が考える,一般的にブリッジが適している場合と,ブリッジが適さない場合についてご紹介します。

ブリッジが向いているケース

歯が無い部分の前後に金属が被っている場合

先ほど両隣の歯を削る必要があることを述べましたが,隣の歯に既に金属やセラミックが装着されている場合には,新たに歯を削るというリスクは回避することができます。特に失った歯が1本や2本など,少数の場合では有効な治療法です。ただし,隣の歯のクラウンが問題なくても壊して除去しなければならないことや,隣の歯の負担が増えることは避けられないため注意が必要です。

外科手術ができない場合

インプラント治療のデメリットとして,手術に伴うリスクが挙げられます。ブリッジによる治療では手術が必要ないため,「持病や服薬で手術が難しい」,「骨の量や神経の走行によるリスクが高い」,「また手術が怖い」などの場合にはブリッジが適応となります。

治療期間を短くしたい場合

インプラント治療の際には,術前にCTなどで精密診断を行い,さらにインプラントと骨との結合を待つ期間が必要なため,最低でも3か月程度,長いときには1年以上の治療期間が必須です。「治療期間を短くしたい」「来院回数を少なくしたい」「1日でも早く歯を入れたい」という場合にはブリッジが向いています。

ブリッジが向いていないケース

歯が無い本数が多い場合

多くのケースでは,歯が無い本数が1本や2本の場合にブリッジが適応されることがほとんどです。連続して3本以上歯が無い場合,噛み合わせの負担が比較的少ない前歯ではブリッジが可能なこともありますが,奥歯にはほぼ適応されることはありません。
さらに歯が無い本数が2本以上の場合,前後の歯を合計で3本以上削る必要があり,歯にかかる負担がとても大きくなってしまいます。

両隣の歯の状態が悪い場合

少し矛盾しているようですが,ブリッジを行う際には両隣の歯がある程度健康である必要があります。虫歯が深くて歯がほとんど残っていない・根の先に炎症がある・歯周病でグラついている,などの場合には,ブリッジを装着することで歯の欠損が進行してしまう恐れがあります。「せっかくブリッジを装着したのに,どんどん歯が無くなって後悔した」ということが無いよう注意が必要です。

いま残っている歯を大切にしたい場合

セラミックを使用するなど,ブリッジを精度良く作ることで虫歯や歯周病のリスクはある程度抑えることができますが,噛み合わせの負担の増加は避けることができません。またブリッジの寿命は10年程度というデータもあり,ブリッジの撤去の際に土台の歯が抜歯になってしまうことも少なくないです。そのため,「いま残っている歯を長持ちさせたい」「再治療までの期間ができるだけ長い治療をしたい」という方には向いていません。

ブリッジを長持ちさせるポイントとまとめ

いかがでしたでしょうか。今回はブリッジについて,メリットやデメリット,向いているケースと向いてないケースについて解説しました。

最後にブリッジを長持ちさせるポイントを3つご紹介いたします。

  • 材質はセラミックを選ぶ
  • 歯間ブラシを使用したセルフケアを行う
  • 定期検診でブラッシングと噛み合わせのチェックを受ける

ブリッジは,大切な歯を1本や2本失った場合に適している治療法です。治療前の診断と,ご自宅でのお手入れによっては長持ちさせることができる素晴らしい治療法ですが,隣の歯を削ることや,噛み合わせの負担が増えるなどのデメリットもあります。治療法に迷われている場合は,ぜひお気軽にご相談ください。

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